妻有(つまり)とは

 「大地の芸術祭」で云う越後妻有とは、新潟県南端に位置し長野県との県境に近い十日町市と津南町にまたがる地域のことを指すことに使われているが、本来は旧十日町市と川西町・中里村の一部の信濃川沿岸一帯を示す地域の古称「妻有庄」であり、津南町や渋海川沿いの旧松代町・松之山町は含まないと云うのが通説である。
 「妻有(つまり)」とは「詰まり」の意であり、越後と信濃川のドンづまり・・・ つまり「奥深い行き止まりの地」という意味であるといわれる。 古い時代、大河信濃川を利用した舟運では川を遡った行き止まりの地・・・まあ越後の中心から見ればなるほどドンづまりだが、現在では関東や信州側から見ればドン詰まりどころか玄関口であり、東京より電車でわずか2時間の距離にある。 先人達は「詰り」と表記せず「妻有」とするとはロマンがあり何とも良い字を当てたものだ(^^♪。

 ここはまた日本有数の豪雪地帯でもある。あまり自慢にもならないが、人口5万人を越える地域としては世界で一番雪が降り積もるとさえいわれ、年累計降雪量平均が10mを越えることがざら、多いときは20メートル近くになったこともある・・・そんな場所である。 

 平成の大合併以来、現在は十日町市と津南町の2つの自治体からなり(2005年の合併以前は十日町市、川西町、津南町、中里村、松代町、松之山町の6市町村)、面積は760平方キロメートル、東京23区より広い地域だが、人口はおよそ6万人強、ご多分に漏れず減少の一途をたどっている、地区によっては65歳以上がおよそ半数を占める典型的な高齢過疎地域である。都市化による若年労働者の市街地への流出や国による農業切り捨てによって、先祖から長く続いた地域と生活、文化は今や崩壊の危機に立っている。しかし、古くは縄文の時代から農業を通して大地とかかわり、越後妻有の景観・生活・コミュニティは四季の変化に彩られた山河によって育まれた日本の原風景・心の故郷とでも言うべき典型的な「里山」が今も豊かに残っている地域である。